

ChopValue初の
ウェブサイトローカライゼーションを支援。
日本展開が順調に
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時期:2024年10月~11月
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形態:プロジェクト
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内容:日本語のボイス&トーン開発、ウェブサイト等のローカライゼーション
使用済みの割り箸から家具を製造するカナダ発のChopValueは、2025年4月に日本での本格展開を開始。その準備として、Incは2024年秋に同社の日本語ボイス&トーン開発、用語集や表記ルールの整備、そして日本語ウェブサイトおよびサステナビリティレポートのローカライゼーションを手がけ、日本市場でのスムーズなビジネスローンチに貢献しました。
ChopValueとは
ChopValueは、2016年にカナダのバンクーバーで設立されたカーボンネガティブな家具製造企業です。回収した使用済みの割り箸から独自の特製材を開発し、家具の材料として用いることで「循環型家具」を生み出し、廃棄物の削減と森林破壊の防止に取り組んでいます。また割り箸の回収から家具の生産まで地域密着のマイクロファクトリーで行うことで、製造・流通過程でのCO2排出量も抑制。2025年時点で日本を含め世界9か国で事業を展開しており、製品はさまざまな飲食店や施設、企業のオフィスに導入されています。https://chopvalue.jp/
英語が使われない日本では、日本語ウェブサイトが不可欠
2024年、ChopValueは割り箸大国である日本への進出を決定。当時すでにマレーシアやシンガポール、フィリピンといったアジア諸国でも事業を展開していた同社でしたが、実はウェブサイトやサステナビリティレポートは英語のみで展開しており、他言語にローカライズした経験はありませんでした。しかし、英語が日常的に使われない日本でChopValueの事業や製品、そして背景について広く知ってもらうには、コンテンツの日本語化が欠かせません。それも単なる翻訳ではなく、行政を含めた日本の関係者が自然に読めるうえ、サステナビリティという少し堅めのテーマを自分ごととして捉えられるような表現にする必要がありました。
日本向けコミュニケーションの土台を整備
Incはまず、ChopValueの日本語ボイス&トーンの開発に着手。グローバル本社のブランドガイドラインに沿ってボイスを整理したうえで、日本の人々に語りかけるスタンスを決定し、そこからトーンを特定して具体的な表現や表記ルールに落とし込みました。同時に、サステナビリティ関連の用語集も整備。人によって理解の濃度が異なる環境関連の用語を身近な日本語に変え、サステナビリティになじみのない人にもスムーズに伝える土台を整えました。
最初から日本語で書かれたようなコンテンツを作成
スタイルガイド完成後は、ウェブサイトやサステナビリティレポートの主要ページのローカライゼーションに着手。「All of The Wood, None of The Trees」を「木を伐採しない、木の家具」とするなど、ChopValueのストーリーや事業への理解をベースに、原文の意図を汲んだうえで日本語話者に響きやすいコピーに変えるトランスクリエイションを進めました。さらに、事前に日本語話者の従業員が翻訳していた箇所もIncが編集。英語の理解、コピーライティング、さらには出版社で培った日本語編集スキルを発揮したことで、まるで最初から日本語で書かれたようなコンテンツができあがったのです。
日本市場でのスムーズな展開に貢献
ChopValueは2025年初頭に日本語ウェブサイトを公開。英語以外では初の外国語ウェブサイトとなりました。その後4月には川崎市に日本発のマイクロファクトリーを開業し、コクヨ株式会社との戦略的提携を発表。さらに10月には竹中工務店との提携を開始するなど、日本市場での事業を順調に展開しています。
「Incとの協業は終始とてもスムーズでした。私たちの意図や要望を丁寧に汲み取り、表現・構成・文脈にわたって的確なガイダンスを示し、細部の1つひとつに対して意図をもって調整してくれた点を高く評価しています。Incのトランスクリエイションによって、ChopValueのウェブサイトおよびマーケティング関連コピーは日本の文化に沿ったうえで自然に読めるものに仕上がりました。これらは日本での事業拡大が進んだ今も活用しています」
―Alison Lee、ChopValue グローバルマーケティングディレクター